はじめに:人にどう思われるかで疲れていた私
人と関わる中で、「どう思われているか」がずっと気になっていました。
高校時代、学園祭の準備中に「何か手伝うことはありませんか?」と声をかけたところ、返ってきたのは意外な一言でした。
「何もせずにじっとしていてください。」
それ以降、「自分が動くことで迷惑をかけるのでは」と考えるようになり、次第に消極的になっていきました。
頭では「どうすれば正解か?」と考えているのに、答えが出ず、動けなくなる。
気づけば、何もしていないように見えるのに、心だけが疲れていく自分がいました。
相手の期待に応えようとするほど、どんどん自分が消耗していく――そんな日々が続いていたのです。
『嫌われる勇気』との出会いが与えてくれた気づき
そんな時に出会ったのが、『嫌われる勇気』という一冊でした。
同僚との雑談で「この本、良かったですよ」と聞き、タイトルに惹かれて図書館で借りて読んでみることに。
特に心に響いたのは、次の言葉でした。
「その選択をするかどうかは、その人の課題である。」
つまり、自分がどれだけ丁寧に接しても、相手が怒るか、どう受け止めるかはその人の課題。
他人の感情までコントロールしようとする必要はない――そう気づかされた瞬間でした。
変化と実践:境界線を意識するようになって
今までは「失敗してはいけない」「怒らせないようにしなきゃ」と思っていましたが、
それは相手の感情であり、自分のコントロール外であることに気づきました。
「ここから先は相手の問題。」
この線引きができるようになってから、少しずつ心が軽くなりました。
最近では、「これは自分の課題?それとも相手の課題?」と問いかけるようにしています。
また、反射的に謝るクセを減らし、自分の感情を一度立ち止まって観察するようにしています。
私なりの新しい関わり方
- 得意なことは素直に引き受ける
- より良くなると思うことは提案という形で伝える
- 苦手なことは「苦手です」と伝えた上で協力する
そんなふうに、自分にできることを日々積み上げながら、人と関わるスタイルを見直しています。
おわりに:境界線は、自分を守るやさしさ
「人にどう思われるか」で、あなたも疲れていませんか?
境界線を引くことは、決して冷たい行為ではありません。
それは、自分を大切にするというやさしい選択です。
どんなに配慮しても、相手が怒ったり、嫌うこともあります。
でも、それはあなたの責任ではないかもしれません。
あなたができることを丁寧に行い、失敗したら反省し、次に活かす。
原因が相手にあるときは、気にせず手放す。
そんなふうに毎日を少しずつ整えていけば、きっと心は軽くなり、生きやすくなるはずです。
少なくとも、私はそう実感しています。
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